結婚からよい家庭へ
趣味や教養がひどく違わないこと

生活の時間のテンポを違えない

趣味や教養がひどく違わないこと

その次によい家庭として考えられるのは、家族の知的水準がひどくかけはなれていない、ということ。夫と妻との、趣味や教養が、それほどひどく食い違わない、ということです。よい家庭というのは、テイスト(趣味と味覚と両方の意味で)が一致している家庭のこと、ということができましょう。

よく「似たもの夫婦」ということをいいますが、趣味や嗜好が似ているということ。長い間に拡夫婦が、お互いの趣味や嗜好を同化させて似てくる、というのです。こういう夫婦の家庭なら、これはじゅうぶんによい家庭といえましょう。

「似合いの夫婦」ということばもあります。これは必ずしも、趣味や嗜好が似ている卑いうのではなく、顔かたちや感じの似ていることをいうようです。いくら外見が似合いの夫婦でも、二人の趣味や嗜好がひどくかけはなれていたのでは、これはよい家庭とはいいがたいもの。

といっても、結婚するまではお互いに全く違った環境で育てられた二人です。趣味や嗜好の食い違うのは、当然のことかも知れません。イギリスにも、「マザーズ・パイ」ということばがあるそうです。おかあさんが作ってくれたパイの味、というので、その人のもっている好みという意味に使われるとのこと。

こうしたお互いの趣味や嗜好を敏感にさぐりあうのが、新婚当座でありたいのです。自分の食べてきたものは、みんなよくて、夫の食べてきたものは、みんなまずいもの、とキメつける奥さんも少なくないようですが、これはどうかと思われます。

ところが、この新婚当座は、とかく新しい生活の様式を作ったり、お互いの気持のあり方や持ち方などに神経を使って食べ物についてのことは軽く見がち。しかし、夫婦が毎日外食して暮らす、ということは考えられないことです。としたら、当然こうした食事の上での好みの違いというものは、もっとたいせつに考えて、その一致を見るように努力してゆくのがほんとうだと思うのです。

そうすることが「よい家庭」を築き上げてゆく一つの方法だと思われます。共かせぎの家庭に破局が多い、というのはその原因の一つに、夫婦が家庭であまり食事をいっしょにしないことも含まれているのではないでしょうか。



生活の時間のテンポを違えない

また、よい家庭を生み出すための一つの方法としては、夫と妻とが生活の時間のテンポを同じにする、ということがあります。生活の時間のテンポを同じにする、というのは、たとえば、二人が同じ時間に就寝し、同じ時間に起きて働きだす、というようなこと。

妻が眠ろうと思うときに、夫がまだ起きていて本を読みふけっていたり、夫が眠ろうと思うときに、妻が夜なべ仕事でまだ起きていたり、というふうに、ご人の生活の時間のテンポが食い違っている家庭は、決してよい家庭とはいえないでしょう。

時間のテンポが食い違うように、やがていつしかお互いの気持も食い違ってこないとはいいきれないからです。それを考えると、夫婦はいっしょに生活の時間を進めてゆくことがたいせつだと思うのです。

夫も妻も、お互いに、心の中にプライバシイ・ルーム(個人室)をもつことを認め合い、しかも二人で作っている家庭の生活としてのことは、二人が力を合わせて、いっしょにしなければならない、という気持をもってほしいもの。いっしょに生活し、いっしょに楽しむ、ということ。これがよい家庭を作る場合のたいせつな条件の一つになるわけです。